Well-being有識者インタビューVol.14
人々の実感としての豊かさ(ウェルビーイング)を測る指標は、一人当たりGDPのような客観的指標と、個人の幸福度を表す主観的指標に分けられる。先進国で暮らしていても主観的指標が低い場合、人は不安を抱え、不満足な状態にあると言える。主観的なウェルビーイングは、人の安全や尊厳を守る「人間の安全保障」の考え方とも相似性がある。その「人間の安全保障」の実践と発展に力を尽くしたのは大学教授から日本初の国連難民高等弁務官となった緒方貞子氏だ。直弟子として緒方氏の背中を追い、国際関係の道に進んだという学者で国連日本政府代表部大使も務めた星野俊也氏に、この概念が生まれた背景と意義について話を聞いた。

大阪大学大学院国際公共政策研究科 教授 星野俊也 氏
2017年8月から3年間、国連日本政府代表部大使・次席常駐代表を務める。上智大学外国語学部卒。国際公共政策学博士(大阪大学)。国連日本政府代表部公使参事官などを経て現職。専門は、国際政治学、国連外交、地球規模課題、SDGs/ESG、平和構築、人間の安全保障。