Well-being有識者インタビューVol.9
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で人々が脅威にさらされる中、日本人の人生観や価値観も確実に変化し、経済発展や物質的な豊かさだけでなく、実感としての豊かさ(ウェルビーイング)を求める傾向がより強くなった。人間の幸福感と文化の関係について研究してきた心理学者の内田由紀子氏は、日本には世代を問わず、「個」よりも人との関係を重んじる文化があり、「個」を重視する欧米的な価値観や幸福観を日本人にそのまま適合させようとするのは難しいだろうと指摘する。日本人に適したウェルビーイングの在り方について内田氏に聞いた。

京都大学 人と社会の未来研究院 教授 内田由紀子 氏
博士(人間・環境学)。ミシガン大学、スタンフォード大学客員研究員等を経て、2008年より京都大学こころの未来研究センター助教、11年より准教授、19年より教授。現在、中央教育審議会の委員等を務める。近著に「これからの幸福について:文化的幸福観のすすめ」(新曜社)